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内視鏡センター

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内視鏡センター部門のご紹介

 内視鏡センターでは医師(内科、外科)、内視鏡技師3名を含む看護師スタッフ、受付担当クラーク、物品管理および内視鏡洗浄業務を担当しているメディカルアシスタント、放射線技師等がチーム一体となって日々の検査、治療をおこなっています。 当院内視鏡センターでは「的確な診断と治療はもちろんとして、患者様の負担を可能な限り和らげるように検査を行う」を理念として、日々心掛けております。
 胃癌、大腸癌については早期発見・早期治療を行えば、まず転移などの心配はありません。そのためには、まず検査を受けていただくことから始まります。上下部内視鏡検査をご希望の方はご来院・受診の上、検査の予約をしていただけますよう、よろしくお願いいたします(受診の予約はお電話でも可能です)。かかりつけ医がいらっしゃる場合には、かかりつけ医から地域医療室を通じて予約していただく事も可能です。

 内視鏡センターで行われている検査、治療は以下の通りです。

上部消化管内視鏡検査

 一般的には胃カメラと呼ばれるものですが、咽頭、食道、胃、十二指腸の一部まで観察するため医学的にはこのように呼ばれます。対象となる病気としては、食道がん・逆流性食道炎・胃炎・胃ポリープ・胃潰瘍・胃癌・十二指腸潰瘍などが挙げられますが、最近では咽頭、喉頭領域の病気についても観察が行われるようになりました。  当院では2013年4月よりオリンパス社製最新内視鏡システムEVIS LUCERA ELITEを導入しました。このシステムは、従来のハイビジョン画質を超える明るく高画質な観察を可能とし、NBI(Narrow Band Imaging=狭帯域フィルター内視鏡(以下NBI)は消化管内視鏡の分野で開発された新しい内視鏡技術です)技術も標準搭載で、病気を早期に発見する可能性をさらに高めたシステムとなっています。
 また、併せて最新式経鼻内視鏡も導入しました。経鼻内視鏡は経口内視鏡に比べて咽頭通過時の刺激が少ない(下図)とされており、検査の苦痛を軽減しつつ、今までと同様の詳細な観察ができるようになりました。また、マウスピースを噛む必要が無いため、観察中に検査医師と会話することも可能です。さらに鎮静剤を使用せずに済むため、検査後速やかにご帰宅することが可能です。経鼻内視鏡検査により病気が見つかった場合には、さらに精密な観察が可能な経口ハイビジョン拡大内視鏡を用いて検査を行いますが、その際にもご希望があれば、鎮静剤を使用して眠った状態で検査を行うことも可能です。

  経鼻内視鏡と経口内視鏡のちがいについて
   経口・経鼻
 鼻から入れる場合は内視鏡が舌の根元に触れないので、ほとんど吐き気をもよおすことなく
  検査を受けることができます。
  (富士メディカル社HP「鼻から.jp」より引用)

   経鼻内視鏡(上)と経口内視鏡(下2本)の太さのちがい 
  内視鏡の太さの違い
  
     NBI併用ハイビジョン拡大内視鏡による観察
  NBI併用ハイビジョン拡大内視鏡
  (オリンパス社HPより抜粋)

上部消化管内視鏡治療

上部消化管全般 早期悪性腫瘍に対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)
早期悪性腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
異物誤飲に対する異物除去術
進行癌による食物通過障害に対する内視鏡的ステント留置術
消化管手術後吻合部狭窄に対するバルーン拡張術
内視鏡的イレウス管留置術
アニサキス症に対する内視鏡的除去術     など
食道領域 食道静脈瘤(破裂)に対する内視鏡的結紮術(EVL)
胃・十二指腸領域 潰瘍出血に対する内視鏡的止血術
内視鏡的胃瘻造設術      など

当院の内視鏡治療が対応可能な上部消化管疾患は以下になります。特に早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)については積極的に対応しております。

下部消化管内視鏡検査

一般的に大腸カメラと呼ばれるものですが、必要に応じて大腸に近い側の小腸の一部まで観察するためこのように呼ばれます。対象となる病気としては、大腸炎、大腸憩室出血、大腸ポリープ・大腸がん・潰瘍性大腸炎・クローン病などが挙げられます。 当院では下部消化管内視鏡検査時に2012年よりCO2ガスによる検査を導入しております。CO2ガスは生体内に速やかに吸収され、呼吸により体外へ排出されるため、通常の空気による検査よりも腹部の張りが少なくて済み、負担が軽減されます。従来同様、ご希望の患者様には沈痛剤、鎮静剤を使用し、負担の少ない検査を行うように心掛けております。
下部内視鏡 送風装置
(オリンパス社HPより抜粋)

 また、内視鏡的に切除可能なポリープや腫瘍が見つかった場合にはその場で切除を行い、日帰り手術にも対応しておりますので、問題が無ければそのままお帰りいただいております。日帰りでの手術が危険と判断した場合には後日入院にて内視鏡手術を行いますが、通常の内視鏡的切除術であれば1泊2日での対応としております。
 平成24年4月より保険収載となりました大腸ESDについても対応しております。入院期間は偶発症がなければ5日間前後となります。

下部消化管内視鏡治療

当院の内視鏡治療が対応可能な下部消化管疾患は以下になります。

      • 大腸ポリープに対する内視鏡的ポリープ切除術
      • 大腸腫瘍性病変に対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)
      • 早期大腸癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
      • 大腸憩室出血に対する内視鏡的止血術
      • 経肛門的イレウス管留置術           など

胆膵領域内視鏡検査および治療

 最近ではエコー検査、CT検査・MRCP(MRI検査)で発見されることが多くなりましたが、胆嚢結石・総胆管結石および関連胆管炎、慢性膵炎やそれに付随した合併症、自己免疫性疾患、さらに胆道・膵悪性腫瘍およびそれらに関連した胆道狭窄・閉塞性黄疸などの疾患・病状が対象となります。胆嚢・胆管や膵臓は胃や十二指腸と隣接しており、専用の内視鏡を用いることで診断や治療を行うことが出来ます。
  胆膵内視鏡手技は、上下部消化管内視鏡処置内視鏡と比べても偶発症が多い領域であり、必要とされる技術や処置具も特殊であるため、対応できる施設・スタッフは限定されます。当院では平成23年より本格的に胆膵領域疾患患者様を受け入れ始めたため、大規模病院と比較して症例数は少ないものの、患者様一人一人に対して適切かつ最良の治療を行うべく日々努力しております。
 胆膵領域疾患が疑われる患者様については、まず腹部エコー、造影CT、MRIによる評価を行い、必要に応じてEUS(超音波内視鏡)による詳細な観察を行った上で、さらに処置が必要であればEUS-FNA(超音波内視鏡ガイド下穿刺術)やERCP(逆行性胆管膵管造影)関連処置を行っています。

当院における胆膵領域で対応可能な内視鏡処置は以下になります。

      • 超音波内視鏡ガイド下吸引細胞診および組織生検
      • 胆嚢炎・胆管炎に対する経乳頭的ドレナージ術(経鼻胆管ドレナージチューブ留置術)
      • 総胆管結石症に対する内視鏡的乳頭切開術・乳頭バルーン拡張術および採石術・砕石術
      • 悪性胆道狭窄に対する内視鏡的自己拡張型メタリックステント留置術
      • 膵仮性のう胞に対する超音波内視鏡ガイド下ドレナージ術
         総胆管多発大結石に対するERC関連処置
総胆管多発大結石に対するERC関連処置

         治療前後のMRCP画像

治療前後のMRCP画像
                       ERC施行前                         ERC-乳頭切開術-砕石術後

当院における抗血栓薬内服中の患者さまに対する 内視鏡関連診療方針について

 日本消化器内視鏡学会では、以下に述べる病状の患者様は、抗血栓薬の休薬により血栓塞栓症を発症する可能性が高い患者様と判断しています。

休薬による血栓塞栓症の高発症対象者

抗血小板薬関連 

  • 冠動脈ステント留置後2 ケ月以内である
  • 冠動脈薬剤溶出性ステント留置後12 ケ月以内である
  • 脳血行再建術(頸動脈内膜剥離術、ステント留置)後2 ヶ月以内である 
  • 主幹動脈に50%以上の狭窄を伴う脳梗塞または一過性脳虚血の既往がある
  • 最近発症した虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作がある
  • 閉塞性動脈硬化症でFontaine 3 度(安静時疼痛)以上である
  • 頸動脈超音波検査または頭頚部MRI画像で、休薬は危険が高いとされる所見を有する

抗凝固薬関連

  • 心原性脳塞栓症の既往
  • 弁膜症を合併する心房細動がある
  • 弁膜症を合併していないが脳卒中高リスクの心房細動がある
  • 僧帽弁の機械弁置換術後である
  • 機械弁置換術後の血栓塞栓症の既往がある
  • 人工弁設置後である
  • 抗リン脂質抗体症候群と診断を受けている
  • 深部静脈血栓症·肺塞栓症と診断を受けている

上記に当てはまる患者様は、抗血小板剤薬の内服中止により心血管イベント(心筋梗塞等)並びに脳梗塞が約3倍に増加する可能性があり、特に脳梗塞の発症はアスピリンの休薬10日以内が70%を占めるというデータが紹介されました。
また、ワーファリンの休薬100 回につき1 回の割合で血栓塞栓症が発症する可能性があり、発症すれば重篤で致命的になる可能性がある可能性があることが紹介されました。そのため、上記に当てはまる患者様については、抗血栓薬の継続下での生検の施行も考慮するようにとの診療方針が出されました。
それに伴い、原則上記患者様に対する当院での対応を下記のように変更させていただきます。

抗血栓薬を単独服用されている患者様について

上部消化管内視鏡検査において

  • 1 抗血小板薬内服中の患者様については、検査施行の際に抗血小板剤の内服を継続していただきます。
  • 2 抗凝固剤(ワーファリン)内服中の患者様は、採血で治療至適域内であることを確認したうえで抗凝固薬の内服を継続していただきます。

日本消化器内視鏡学会の診療指針では、組織生検では抗血栓薬服薬の有無に関わらず、胃では0.002%、大腸では0.09%に出血が合併すると報告しています。
胃·十二指腸において、アスピリンもしくはブラピックス内服下の生検によって出血は増加しなかったという報告を紹介しています。
ワーファリン内服者でPT-INR が治療域内に留まっている場合には、生検後出血の増加はなかったという報告を紹介しています。ただしこれらは胃酸分泌抑制薬を併用していた場合です。

下部消化管内視鏡検査において

  • 3 生検検査施行のみ希望の場合には抗血小板剤の内服を継続していただきます。
  • 4 検査時にポリープ切除を希望されるブラピックス内服中の患者様は、5日前からアスピリンに切り替えていただき、前日から休薬してから治療をさせていただきます。
  • 5 検査時にポリープ切除を希望されるブラピックス以外の抗血小板剤を内服中の患者様は前日から休薬していただきます。
  • 6 抗凝固剤(ワーファリン)内服中の患者様は、生検検査施行のみ希望の場合には、採血で治療至適範囲内であることを確認したうえで抗凝固薬の内服を継続していただきます。
  • 7 抗凝固剤(ワーファリン)内服中の患者様で、検査時にポリープ切除を希望される患者様は、3日前より入院していただき、抗凝固剤の持続点滴に切り替えた上で治療をさせていただきます。

日本消化器内視鏡学会の診療指針では、大腸については、アスピリン継続がポリペクトミーの後出血の原因にならないとの報告を紹介しています。また、ワーファリン内服患者様の場合で、血中濃度が治療至適域内に留まっている場合には、生検後出血の増加はないとの報告を紹介しています。さらに、大腸ポリープ切除においては、約30000 人の症例対象研究でアスピリン内服者は出血性偶発症のリスクが増加しなかったという報告を紹介しています。
ただし、2 ㎝以上の大腸ポリープに対する切除術では、アスピリンの内服があった症例は、なかった症例に比べ、明らかに術後出血が増加したという報告を紹介しています。そのため、ポリープ切除を希望した場合でも、術者の判断によりポリープを切除しない場合があることをご了承ください。

抗血栓薬を2剤以上内服されている患者様について

上部消化管内視鏡検査において

  • 8 アスピリンとアスピリン以外の抗血小板剤を内服中の患者様は、アスピリンのみ継続していただきます。
  • 9 アスピリンとワーファリンを内服されている患者様は、採血でワーファリンの濃度が治療至適域内であることを確認したうえで、両剤の内服を継続していただきます。
  • 10 アスピリン以外の抗血小板剤とワーファリンを内服中の患者様は、抗血小板剤をアスピリンに変更し、採血でワーファリンの濃度が治療至適範囲内であることを確認した上で両剤の内服を継続していただきます。

 日本消化器内視鏡学会の診療指針では、組織生検では抗血栓薬服薬の有無に関わらず、胃では0.002%、大腸では0.09%に出血が合併すると報告しています。
胃·十二指腸において、アスピリンもしくはブラピックス内服下の生検によって出血は増加しなかったという報告を紹介しています。
ワーファリン内服者でPT-INR が治療域内に留まっている場合には、生検後出血の増加はなかったという報告を紹介しています。ただしこれらは胃酸分泌抑制薬を併用していた場合です。

下部消化管内視鏡検査において

  • 11 生検検査のみ希望の患者様で、アスピリンとアスピリン以外の抗血小板剤を内服中の患者様は、アスピリンのみ継  続していただきます
  • 12 生検検査のみ希望の患者様で、アスピリンとワーファリンを内服されている患者様は、採血でワーファリンの濃度 が治療至適域内であることを確認したうえで、両剤の内服を継続していただきます。
  • 13 生検検査のみ希望の患者様で、アスピリン以外の抗血小板剤とワーファリンを内服中の患者様は、抗血小板剤をアスピリンに変更し、採血でワーファリンの濃度が治療至適範囲内であることを確認した上で両剤の内服を継続してい ただきます。
  • 14 検査時ポリープ切除まで希望される患者様は、原則5日前から入院の上、対応させてただ来ます。

 日本消化器内視鏡学会の診療指針では、2剤以上の抗血栓薬を内服している患者様の生検は、個別に慎重に判断するべきとしています。当院では、2剤以上の抗血栓薬を服用している患者様は血栓塞栓症の高発症群と考えられますので、原則内服を中止しない方針としています。しかし、術者が生検を危険と判断した場合には、仕切り直しの上、再検査をする場合がありますのでご了承ください。

全ての内視鏡検査および内視鏡処置については、出血する可能性があり、自然に止血しない際には止血術が必要になる場合があること、また、その処置により処置費用が必要になることをご理解ください。