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血液内科

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①特徴・特色

血液内科は特異的と思われがちですが全身管理を行ないながら、化学療法により疾患を改善治癒にもっていく、内科医にとって魅力ある分野なのです。神奈川県下において血液内科を標榜する病院は、大学病院、市民病院、労災病院などに限られております。当院の個人病院としての特徴を挙げさせて頂きます。

  • 本邦で行なわれている標準治療を基本としますが、患者と家族とコミュニケーションを密にし、その人に適合した治療に当たります。
  • 患者さんに対しマンツーマンで対応します。血液患者は発熱などが起こりやすく、症状出現時は瞬時対応します。
  • 化学療法や輸血を受ける方などは特別診察枠を設け診療がスムーズに運ぶよう配慮してします。
  • 血液疾患の平均年齢は70歳前後です。疾患自体や治療から生活の質が低下することがあります。当院ではリハビリ施設が充実しておりますのでリハビリを積極的に導入、また入院期間が長期になる場合は包括支援病棟を利用し患者さんの自立を目指します。
  • 昭和大学藤が丘病院血液内科の原田浩史教授の週1回(月)診察日があり藤が丘病院と連携を計りながら治療を行ないます。

②症状・疾患・治療紹介

以下のような症状のある方は血液内科を受診下さい。

1)顔が蒼白いと言われたり、女性で動悸、息切れがする(鉄欠乏性貧血が考えられます)。

2)血液検査で貧血、白血球数、血小板数異常を指摘された。

3)頸部にしこりが触れる(リンパ節腫大が考えられます)。

4)あざができやすい、鼻出血などで血が止まりにくい。

5)原因不明の発熱が続く

などです。対象疾患は、悪性疾患として悪性リンパ種、骨髄腫、骨髄異形成症候群、白血病 良性疾患として特発性血小板減少性紫斑病、再生不良性貧血などです。

悪性リンパ腫

1 概念:悪性リンパ腫は非ホジキンリンパ腫とホジキンリンパ腫に分けられます。日本人には非ホジキンリンパ腫が多く、悪性リンパ腫全体の約9割を占めています。悪性化の原因は不明ですが、特殊なリンパ腫を除き、人から人へ感染したり、親から子へ遺伝したりはしません。悪性リンパ腫が発生するリンパ節やリンパ管は、身体のいたるところにあるため、どこでも発生する可能性があります。1つのリンパ節やリンパ節ではない臓器にリンパ腫が発生した場合(後者を「節外病変」と表現する)、リンパ管や血管を伝って他のリンパ節や臓器に悪性リンパ腫が広がる可能性があります。

2 診断:全身に広がっている可能性があるので、全身をくまなく検査する必要があります。血液検査だけで診断することが難しいため、「生検」〈リンパ腫の一部を手術で取り顕微鏡で検査する〉を行います。生検は、リンパ腫のタイプ(「組織型」と表現する)を決定するためには必要な検査です。リンパ腫のタイプにより治療が大きく分かれるため、必ず顕微鏡検査で「組織型」を決定することが大切になります。組織型で濾胞性リンパ腫はゆっくりとした進行をとり、びまん性大細胞型リンパ腫は進行が早く早めに治療する組織型です。表現型はB細胞リンパ腫とT細胞リンパ腫があります。治療方針を決めるとき、病期により治療法が大きく分かれるため、「組織型」の決定に加え、リンパ腫の「広がり」(「病期」と表現する)を調べることも重要となります。病期決定には骨髄検査、CT検査、PET検査、症状により内視鏡検査を行ないます。

3症状:リンパ節腫大以外に症状として体重減少、発熱、盗汗などがあります。

4治療:B細胞リンパ腫ではアドリアシン、エンドキサン、オンコビン、プレドニンのCHOP療法と抗CD20モノクロナール抗体のリツキサンの6~8コース行ないます。T細胞リンパ腫ではテラルビシン・エンドキサン・オンコビン・プレドニンのTHP・COP療法を6~8コース行ないます。再発した場合は低悪性度リンパ腫(濾胞性リンパ腫などではトレアキシン治療を行ないます。中悪性度ではシタラビン、カルボプラチン、エトポシド、ソルメドロールのACES治療を行ないます。

多発性骨髄腫

1概念:形質細胞はガンマグロブリン(免疫グロブリン、抗体)を産生しています。ガンマグロブリンは外から侵入してくるウイルスや細菌から体を守る働きをしていますが、多発性骨髄腫では、骨髄にある形質細胞が腫瘍化し増殖を続けた結果、大量のモノクローナルな蛋白(M蛋白)を産生する結果として起こる病気です。種類としてはIgG型、IgA型、ベンスジョーンズ蛋白型があります。

2診断:血清と尿からM蛋白の同定を行ない、骨髄検査から形質細胞増殖を確認します。β2ミクログロブリンや血清遊離軽鎖測定も治療効果をみるための検査です。骨病変をみるため全身骨撮影やMRI行います。

3症状:腫瘍化した形質細胞が骨を融かしてもろくするような物質を分泌し、これが病的骨折などを引き起こします。脊椎がつぶれて圧迫骨折を起こし、転んだときに簡単に骨折してしまうことがあります。骨髄で腫瘍細胞が増えると、正常な骨髄を破壊して造血能を抑えてしまうことになるため、貧血や白血球減少、血小板減少が生じます。貧血の場合は、息切れや動悸を起こしやすく、白血球減少の場合には感染症にかかりやすくなります。

4治療:治療対象症例は臓器障害の高Ca値11mg/dl以上、腎障害クレアチニン2mg/dl以上、貧血Hb10g/dl未満、画像診断から骨病変1カ所以上をもつ場合です。当院では移植非適応の患者(65歳以上)を対象に治療をしています。初回導入治療として、プロテアーム阻害剤のベルケイド/デカドロン(Vd)治療か免疫調整薬のレブラミド/デカドロン(Rd)療法。またはベルケイド/レブラミド/デカドロンのRVd療法を行ないます。維持療法としてはRdを行ないます。増悪した場合は新規薬剤のポマリスト、ファーリダック、カイプロリス、エンプリシティ、ニンラロ、ダルザレックなどを治療歴、副作用歴などを考慮して使用します。

骨髄異形成症候群

1概念:血液の成分は、血漿と、身体のすみずみに酸素などを運ぶ赤血球や、細菌を殺す白血球や、出血を止める血小板などの血液細胞で構成されています。血液の細胞成分やそのもとになる細胞(造血幹細胞ないし血液前駆細胞)は骨髄で作られています。正常な状態では、造血支持組織の中で、幹細胞や前駆細胞が、赤血球、白血球、血小板に成熟し、それぞれの働きと役割をになうことになります。骨髄異形成症候群という病気は、細胞の中にある遺伝子や、それがのっている染色体の異常で起こります。この病気は血液のおおもとの1個の幹細胞がわずかに異常をおこし、極めてゆっくりと身体の血液成分全体に異常がおきてくる状態と考えられています。その結果、骨髄が血液を造るという正常の働きをしなくなり、身体全体に正常な血液細胞を送り出せなくなるため、さまざまな身体の異常があらわれてきます。要約すると、骨髄異形成症候群は骨髄では造血細胞が十分産生されているにもかかわらず、末梢血では赤血球・白血球・血小板が減少する疾患です。骨髄中の血液細胞は形態学的に異形成、出来損ないのような形をしておりこのような骨髄異形成症候群という名前が付けられました。

2診断:末梢血と骨髄検査から各成分の構成、骨髄芽球増加、形態異常、環状鉄芽球、染色体異常をみます。末梢血で血球減少がありますが骨髄では再生不良性貧血と違いはその基になる細胞は造られています。骨髄の細胞に正常者にみられない形態異常の細胞がみられます。貧血以外白血球減少や血小板減少もあり、5番、7番、8番などの染色体異常がみられます。

3症状:骨髄異形成症候群に特有の症状というものはありませんがが、病気の種類と進行度にしたがって、疲れやすい、だるい、立ちくらみがするなどの貧血症状、皮膚に青あざが出るといった出血傾向、感染症を合併すると発熱が出現します。WHO分類か用いられ異形成の系統数、血球減少の系統数、骨髄および末梢血の芽球から細かい分類がされています。

4 治療:

1)無治療; 初期では、診断が確定してからも輸血をする必要はなく、無治療で経過観察のみでよい場合も少なくありません。

2)ビダーザ(アザシチジン);病期が進んだ場合使用されます。骨髄異形成症候群発症に関係しているDNA遺伝子のメチル化を阻害することで異常細胞の増殖を抑制する作用があります。

3)輸血;貧血が進行した場合、その症状改善のために赤血球輸血を行ないます。血が止まらない場合は緊急の血小板輸血が必要となります。

3)化学療法;白血病と同じ化学療法は、骨髄中のがん細胞を減らす目的で行われることがあります。

4) エリスロポエチン(ネスプ);造血能を刺激し貧血を改善します。

7) 造血幹細胞移植:発症年齢が若い場合には、造血幹細胞移植治療が実施されます。

急性白血病

1概念:急性白血病は、骨髄にある造血幹細胞がそれぞれの血液細胞に育っていく過程のいずれかの段階で細胞が腫瘍化して無制限に増殖するために起こる“血液のがん”です。したがって、白血球のもとになる細胞からだけではなく、赤血球や血小板のもとからも急性白血病は発症します。急性白血病の原因は一部解明されてきており、癌遺伝子やウイルスが関与していることがわかってきていますが、まだ不明な点が多くあります。

2診断:急性白血病の確定診断の主な検査項目は、血液検査と骨髄検査です。急性白血病では骨髄中の白血病細胞を使って染色体分析や表面抗原分析、さらに遺伝子検査などの特殊な検査を行い、白血病細胞の性状を詳しく分析します。形態と表面マーカー染色体、遺伝子解析から急性リンパ性白血病と急性骨髄性白血病に分けられます。FAB分類という分類があり、M0:最も未分化なタイプ、M1:未分化型、M3:急性前骨髄球性、M4:急性骨髄単球性M5:急性単球性白血病、M6:赤白血病、M7:急性巨赤芽球性に分類されます。

3症状:正常な細胞が作れないために起きます。赤血球減少では顔色が悪くなる、息切れ 動悸 倦怠感。血小板板減少では下肢の赤い斑状出血や紫斑、歯肉からの出血傾向。白血球減少では感染症併発し頻繁に熱がでます。

4治療:急性白血病の治療は、2種類以上の抗がん剤を併用する多剤併用化学療法を行います。治療の時期によって寛解導入療法や地固め療法などの呼び方が使われます。完全寛解を目的とした寛解導入療法では、7~10日かけて抗がん剤の投与を行い、その後は骨髄が回復してくるのを待ちます。治療がうまく行った場合には、抗がん剤の投与をはじめてから3週間ぐらいで完全寛解という状態に到達します。この状態に達すると、体内には108-9以下の白血病細胞しか残存していないため臨床症状もなくなり、検査値もすべて正常になります。このレベルの寛解を血液学的寛解と言います。完全寛解になると、さらに残存白血病細胞の根絶を目的として抗がん剤による治療が行われますが、これを寛解後療法と言います。地固め療法、維持・強化療法などと呼ばれる治療コースがこれに入ります。白血病細胞はいつまでも残っていると再び増殖して再発します。このため白血病の治療では完全に白血病細胞を“ゼロ”にすることを目標に治療を行います。急性骨髄性白血病の寛解導入療法としてイダルビシンとシタラビンの治療を行ないます。完全寛解に入れば大量シタラビンかアントラサイクリン薬剤を含む薬剤で地固め療法を4コース行ないます。急性リンパ性白血病ではオンコビンとプレドニンを基本にアドリアシン、エンドキサンを組み合わせの治療を行ないます。幹細胞移植(骨髄、臍帯血)の適応は、FAB分類M0、M5,M6、予後不良染色体をもつ例、3系統の形態異常をもつ例、再発例などが適応です。また、特殊な病型として急性前骨髄性白血病(AML-M3)というタイプの白血病は、ビタミンAの誘導体であるレチノイン酸という内服薬が著効することが知られています。この治療法は分化誘導療法と呼ばれていて、白血病細胞を成熟白血球に分化させることによって白血病細胞を減らす治療です。

③診療について

血液内科への紹介はいつでもお受け致します。急性白血病と診断されている場合は前もってご連絡下さい。また当院では透析設備がありませんので腎不全が併発している時は受け入れられません。

④常勤医紹介

医師名
部長
森 啓
昭和大学医学部卒業
元 昭和大学藤が丘病院血液内科医長/教授
現 昭和大学藤が丘病院血液内科客員教授
日本内科学会認定内科医
日本血液学会認定血液専門医・血液指導医
日本医師会認定産業医
宮城 司  
非常勤医
原田 浩史 昭和大学藤が丘病院 血液内科診療科長・教授

⑤外来担当医表

【横浜新緑総合病院 外来担当表】