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脂肪肝とメタボリックシンドローム

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2016年09月20日

2015 年 11 月 みんなの健康講座
「脂肪肝とメタボリックシンドローム」 抄録

脂肪肝

現在、健康診断受診者の20~30%に脂肪肝(脂肪肝とは肝細胞に脂肪が大量に蓄積した状態で、組織学的に30%以上の肝細胞に脂肪滴が認められるものを言います)が認められ、年々増加しています。また、脂肪肝症例の70%以上が肥満を伴っているといわれています。

脂肪肝をはじめとする脂肪性肝疾患の大部分は肥満、糖尿病、高インスリン血症、脂質異常を伴っており肝臓でのメタボリックシンドロームの表現型と考えられています。脂肪性肝疾患の一部には、肝硬変に進展するNASH(ナッシュ)と呼ばれる病態があり、非代償性肝硬変に至れば胃食道静脈瘤、肝発癌や肝不全を合併することが考えられます。

このため、定期的な健康診断で肝臓の状態の評価が重要であり、具体的には少なくとも年一回の健康診断で、メタボリックシンドロームの評価のため、おへそのラインでの腹囲測定、高血圧の有無、血液検査で脂質異常症や糖尿病の有無のcheckが必要です。さらに血液検査で肝機能のcheckと腹部超音波で肝臓の検査をして脂肪肝の有無のcheckが必要です。脂肪性肝疾患には特効薬はなく、治療は食事療法、運動療法が中心となります。

食事療法

食事療法では総エネルギー 25~35kcal/kg/日、タンパク質 1.0~1.5g/kg/日、脂肪は飽和脂肪酸(脂質の材料で、エネルギー源として大切な脂肪酸です。ラードやバターなど、肉類の脂肪や乳製品の脂肪に多く含まれます。これらの脂肪酸は溶ける温度が高く、常温では固体で存在します。そのため体の中では固まりやすく、しかも中性脂肪やコレステロールを増加させる作用があるため、血中に増えすぎると動脈硬化の原因となります)を控え全エネルギーの20%以下として、血糖値を急激に上げないために 野菜→たんぱく質→炭水化物の順番に食べることなどが推奨されます。緑茶も推奨されます。

運動療法

運動療法では一日20~30分、週三回以上のウオーキング、ジョギング、水中運動といった有酸素運動やスクワット、片足立ちで適度な筋肉をつけ太りにくい体質にすることも大切です。スクワットは足を肩幅に開き、背筋を伸ばして両手を前に伸ばします。5秒で腰を落としてお尻を突き出します。太ももに力を入れ、5秒で元の姿勢に戻ります。これを5回繰り返します。お腹を凹ませるよう意識すれば、より効果的です。片足立ちは床から5~10㎝程度、右足を上げて1分間片足立ちをします。次に左足も同様に行います。バランスをとりにくい場合は、テーブルなどに軽く手をついてもOKです。最終的に手を放して行えることを目標にしましょう。

消化器センター消化器内科) 医長 桑本 信綱

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • 日本肝臓学会専門医
  • 日本ヘリコバクターピロリ学会ピロリ菌感染症認定医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医