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骨盤臓器脱

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2015年12月25日

婦人科受診案内

骨盤臓器脱の診療

婦人科《女性の総合診療科》 部長 清河 薫(日本産科婦人科学会専門医)

近年、従来からある子宮脱・膀胱脱・直腸脱・膣脱などの疾患群を総称して骨盤臓器脱と呼ぶようになりました。
入浴時や排泄時に膣の入り口に何かをふれた経験はありませんか?頻尿、尿が出にくい、排尿後もすっきりしない、尿漏れなどは気になりませんか?これらは骨盤臓器脱になった女性たちが病院を受診した主な理由です。何か悪いものでも出来たのではないかと心配されて受診する方、自覚症状があっても誰に相談していいか分からずに長年辛抱されていた方、症状から泌尿器科などを受診されていた方など受診までの経緯も様々です。

子宮下垂 子宮脱 図骨盤内にある臓器(膀胱・子宮・直腸・小腸)などが腟管という空間に徐々に下がってきますが、これらが腟の中に収まっているうちはなかなか気が付かれず、腟口や外部にまでふくらみが出てきてからようやく発見されるといった経過が一般的です。

出産時の赤ちゃんが産道を通る際にこれら骨盤臓器を支持する靭帯群を損傷してしまったことが主な原因とされていますが、先述したように産後すぐには発症せず、加齢による姿勢の変化や肥満などが加わるようになる中高年以降に徐々に発症します。したがって、出産経験のある女性なら誰にも起こりうる疾患とも言えます。

治療方法

治療方法は、骨盤底筋体操による訓練療法のほか、ペッサリーと呼ばれる腟内装具や手術により骨盤内臓器の位置矯正を図ります。ペッサリー療法中、腟壁潰瘍や穿孔に注意する必要があり、通常3か月毎に通院を要します。また、性器出血やおりものといった症状を伴いますので子宮がんなど悪性疾患との鑑別をするため定期的ながん検診も必要となります。

手術療法

一方、手術療法には自身の靭帯再建術を行う従来法と近年普及したメッシュ法と呼ばれるシート状の非吸収性人工物を骨盤底に挿着する新しい手術法があります。

メッシュ法の問題点

メッシュ法はフランスで開発され欧米などを中心に世界的に普及し、その症例数が急増していますが、残念ながら海外においては合併症も相当数報告されるようになりました。手術後何か問題になった時、一度装着したメッシュを再手術で除去するのは極めて困難であることにも注意が必要です。これらを背景に米国内ではFDA(アメリカ食品医薬品局)から過去に2回も注意勧告が出され、メッシュ製造メーカーによる製品の使用中止の申し入れがなされる事態にまでなりました。

数年前当科でも一時的にメッシュ法も取り入れましたが、こうしたメッシュ手術の特性を実際に経験し、当科では現在 従来法を第1選択としています。

従来法のメリット

婦人科シルエット従来法では子宮を固定していた靭帯群を単離し、これらを再連結し縫縮することを主目的にしており、結果的に子宮を摘出することになりますが、罹患年齢上、子宮摘出によるデメリットはほとんどなく、むしろ癌年齢において子宮がんの心配がなくなるなどのメリットがあります。

再建した靭帯群に膀胱や直腸周囲の支持組織に加え、腟壁を縫い付けることで、これらの臓器が新たに靭帯群により支持されてその脱出を防止します。自分自身の靭帯をもちいた再建術ですので、一定の割合で靭帯の再伸展による再脱出の問題がありますが生活上問題になることは少なく、仮に再手術になった場合には別の腟閉鎖術法により臓器の脱出を矯正できます。また、問題となっているメッシュ挿入に伴う特徴的な慢性疼痛・感染症・メッシュの体外露出などが起こらないため、歴史的にも裏付けられた安全な手術と言えます。

骨盤臓器脱の症状でお悩みの方は

当科では従来法を約60分程度で施術できますし、入院期間は9日間です。術後の女性たちの感想として多いのは、歩きやすくなった、姿勢がよくなった気がする、腰痛やひざの痛みが軽減した、長時間トイレに行かなくてもよくなった、尿がすっきり出るようになったなどです。このように、手術により格段に生活が楽で便利になりますので骨盤臓器脱の症状でお悩みの方は是非当科にご相談ください。

For the women who are not good Japanese speakers

As the specialists of obstetrics and gynecology, we are happy to give you our medical services in English. No matter what it is a cancer check up or just a little health trouble, please take it easy to contact us in English.

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