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胃癌について

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2021年06月14日

消化器センター 外科医長 江間 玲

【胃癌の疫学】

国立がん研究センターの統計によると、わが国における2019年度の胃癌死亡数は、男性は、肺癌に次いで第2位の28,043人であり、女性は、大腸癌、肺癌、膵臓癌に次いで第4位の14,888人と報告されており、胃癌は罹患数も多い身近な悪性腫瘍の一つです。

【胃癌の発生】

胃癌は、胃の壁の内側を覆う粘膜の細胞が何らかの原因で癌細胞になることから発生します。

  • 早期胃癌:粘膜または粘膜下層に限局しているもの
  • 進行胃癌:筋層以下に浸潤するもの

胃癌が進行すると、外側の漿膜まで到達し、それを超えると胃の周囲の臓器である大腸や膵臓、肝臓にも浸潤していきます。やがて、癌細胞はリンパ液や血液の流れに乗って、遠く離れた臓器に転移していったり、お腹の中に癌細胞が散らばり、腹膜播種(ふくまくはしゅ)を起こしたりします。

【胃癌の原因】

ヘリコバクター・ピロリ菌感染による「慢性萎縮性胃炎」が発生に関与している他、遺伝子異常の関連も指摘されています。喫煙、飲酒、食塩などが危険因子とされています。

【胃癌の症状】

早期胃癌では無症状のことがほとんどですが、進行胃癌では上腹部痛、嘔気・嘔吐、腹部膨満、食欲不振、体重減少、しゃっくり(吃逆)、胸やけ、黒色便などの症状を自覚することがあります。

【胃癌発見のための検査】

胃癌は、検診や人間ドックなど上部消化管内視鏡検査を積極的に行うことで早期発見につながります。 症状を自覚してから検査を受けた場合、進行胃癌として発見されることもあります。

【胃癌の治療】

内視鏡治療

腫瘍が2cm未満、分化型癌、粘膜癌、潰瘍形成を伴わない、などの条件を満たす早期胃癌に対しては、内視鏡的粘膜切除(EMR)や内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行います。

手術

腫瘍の位置によって、幽門側胃切除術(胃の出口側2/3を切除)や胃全摘などの術式を選択します。内視鏡治療の適応を満たさない早期胃癌および進行胃癌の一部に対しては、腹腔鏡手術を行います。
腹部に5か所の小さな穴をあけ、炭酸ガスでお腹を膨らませて、カメラモニター画面を見ながら鉗子操作を加えて超音波凝固切開装置などを用いて胃を切除します。
進行胃癌に対しては開腹手術を行います。

抗癌剤治療

切除不能進行再発胃癌に対しては適応を考慮し、抗癌剤治療を行います。

当院消化器センターでは積極的に胃癌治療を行っております。上部消化管検査を受けてみたい方、症状で心当たりのある方は受診相談してください。