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大腸がん ~日本で一番多い癌~

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2016年09月21日

2016 年 2 月 みんなの健康講座
「大腸がん ~日本で一番多い癌であることを知っていますか~」 抄録

 横浜新緑総合病院 消化器センター長 兼 外科部長 齊藤修治 

 ≪日本で一番多い癌≫

2014年に国立がん研究センターから出されたがん情報サービスでは、2015年には大腸がんは日本で最も多いがんになると予測された。がんの死亡数では男性では肺がん、胃がんについで3番目に多く、女性では大腸がん最も多くなっており、男女合わせると肺がんについで2番目に多くなっている。

大腸がんはもともと欧米人に多いがんとされていたが、米国では大腸がんによる死亡数は徐々に減少している。日本では大腸がんによる死亡数はまだまだ増加し続けており、今後の対策がとりわけ重要ながんの一つである。

≪腹腔鏡下大腸がん手術≫

講演では、大腸のしくみ(解剖、生理)から大腸がんの発生機序・経過・進展様式、大腸がんの診断、治療まで説明した。大腸がん治療では、横浜新緑総合病院で積極的に行っている腹腔鏡下大腸がん手術の解説だけでなく、大腸がんに対する腹腔鏡下手術の長所・短所も説明し、腹腔鏡下手術に関する様々な研究結果やエビデンス(証拠)も紹介した。とりわけ演者も中心的な役割を果たしてきた臨床研究に関して紹介した。

≪大規模臨床試験≫

「進行大腸がんに対する開腹手術と腹腔鏡下手術の根治性に関するランダム化比較試験(JCOG0404)」といった我が国を代表する大規模臨床試験では、進行大腸がんの手術において開腹手術に比べ腹腔鏡下手術は合併症が少なく、5年生存率などがんの根治性は同等であった。

「患者さんの生活の質や生活満足度を調査した研究(QLLC-J)」では、進行大腸がんの手術後に日常生活の復帰までに要した平均日数は開腹手術で44日、腹腔鏡下手術で30日であり、腹腔鏡下手術後のほうが2週間早く日常生活に復帰できていた。

横浜新緑総合病院での大腸がん手術症例数は2015年4月からの約10ヵ月に68例あり、うち42例を腹腔鏡下に手術していた。演者が過去に腹腔鏡下手術を行った大腸がん患者さんの具体例も提示した。

≪検診発見の有効性≫

過去の研究から脂肪摂取量が増えると大腸がんの患者さんが増えることが報告されているが、脂肪摂取量が少なくても大腸がんは発生しており、大腸がんの決定的な原因や確実に大腸がんにならない方法はまだわかっていない。検診以外で発見された大腸がん患者さんの生存率は60%程度なのに対して、検診で発見された大腸がん患者さんの生存率は90%以上と報告されており、検診発見の有効性は明らかである。しかし日本での大腸がん検診受診率は10-30%しかなく、特に65歳以上の高齢者になるほど検診受診率が低下している。

≪消化器センター≫

米国では大腸がん検診が普及し大腸がんの死亡数が減少していることが示しているように、日本でも大腸がん検診が普及すれば大腸がんで亡くなる患者さんが減ることが期待されている。 大腸がんに関する検診や相談に横浜新緑総合病院 消化器センターを利用して頂ければ幸いである。

  • 日本外科学会専門医・指導医
  • 日本消化器外科学会専門医・指導医
  • 消化器がん外科治療認定医
  • 日本大腸肛門病学会専門医・指導医、評議員
  • 日本内視鏡外科学会技術認定医、評議員
  • 日本臨床外科学会評議員
  • 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、学術評議員
  • 日本消化器内視鏡学会関東支部評議員
  • 日本消化器病学会専門医・指導医
  • 日本がん治療認定医機構暫定教育医、がん治療認定医
  • 緩和ケア研修会 修了
  • 米国内視鏡外科学会 会員