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当院におけるグリオーマの化学療法

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2013年02月20日

神経膠腫(グリオーマ)のうちWHO gradeⅢとⅣの患者様には放射線治療とともに化学療法が必要となります。

まず、前回の記事でも書きました術中迅速病理診断のもと、ギリアデルという術中に使用できる化学療法を行ったうえで、術後本格的な放射線治療+化学療法を行います。

化学療法は第一選択としてテモゾロマイド(薬剤名:テモダール)を使用します。このお薬は経口薬と注射薬があります。一般的には経口薬を使用しますが、症状により経口摂取が不可能な場合には注射剤を使用します。

以前は、日本においては悪性グリオーマに対してACNUというお薬しか保険適応になっておらず、ACNUが無効となった場合にはカルボプラチンやシスプラチンやエトポシドという多剤併用療法を行っておりました。

シスプラチンなどの白金製剤といわれるものは、高確率で食欲不振、嘔気、脱毛などのみなさまが想像するような化学療法の副作用が見られましたが、テモダールは比較的副作用発現が低いお薬です。とはいっても、白血球減少(特にリンパ球減少が特徴的)をはじめとする重篤な副作用は起こる可能性があり、投与前の検査は必須です。

当院では、保険適応となっているインターフェロンβを併用することでテモダールの効果を少しでも多く受益いただけると考え、いわゆるINTEGRA studyに準じてインターフェロンβ+テモゾロマイドをベースに化学療法を行っております。インターフェロンにも長期投与で副作用が生じる可能性がありますので、十二分に注意して使用する必要があります。

テモダールに対する反応が乏しくなった際には、第二選択として白金製剤+エトポシド併用療法を行っております。

また、最近よくご質問を頂戴するベバシズマブ(薬剤名:アバスチン)は平成25年1月現在は保険適応となっておらず、自費診療となってしまうことから科学的な側面以外にも様々な問題を抱えています。しかし、有用性が示唆されていることから本年度には保険適応になるといわれており、期待したいところです。

その他、抗てんかん薬の中にもテモゾロマイドとの併用でテモゾロマイドの効果を増強させる可能性のあるお薬などがあり、大変予後が厳しい疾患である悪性グリオーマに対して少しでも効果があることは患者様と相談の上、積極的に取り入れてまいります。

少しでもお元気を取戻し、維持できるようお手伝いさせていただくため、日々努力し、情熱をもって患者様と共にグリオーマと全力で戦ってまいります。