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脳腫瘍の治療

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2012年02月23日

脳腫瘍の治療

他の臓器にできたおできものと同様、腫瘍細胞をいかに体から排除するか、が治療方針になってきます。手術による摘出術、放射線治療、化学療法(抗がん剤)、免疫療法が大きな柱となり、腫瘍の性格を見極めた上で、以上の治療を組み合わせることで腫瘍細胞の数を減らすことが治療です。基本的には手術が腫瘍細胞の数を減らす効果が一番高いことが多いために、手術による摘出術が脳腫瘍治療の基本治療といわれる所以です。

脳の存在する環境の特徴は頭蓋骨にがっちりと周囲を囲まれた閉鎖空間にあるということです。通常は柔らかい脳をしっかりと守ってくれる大切な頭蓋骨なのですが、いざ脳腫瘍が大きくなってくると圧力の逃げ場がなくなり(頭蓋骨が硬く、膨らむことができないため)、周囲の正常脳を圧迫し始めます。それが症状となって現れてくるのです。良性腫瘍でも悪性腫瘍でも、時間と共に大きくなる傾向があります。小さな良性腫瘍で無症状の場合には経過観察となる場合もありますが、大きくなって症状が出現した際には手術が必要となります。良性腫瘍でもあまりにも放置し、大きくなりすぎると生命にかかわります。

悪性腫瘍が示唆される場合には、たとえ小さくても治療に踏み切らなければなりません。悪性腫瘍が大きくなった場合にはすべての悪性細胞を摘出することは困難となります。脳は胃と異なり、全摘出して他の臓器でその機能を補うことができない臓器です。また、脳の部位ごとに機能が分かれており、手術で摘出したくても手術を行うことで麻痺や言語障害が出現してしまうことが予想される場合には、やむなく一部の腫瘍を残さざるを得ないことがあります。その場合には、術後補助療法として放射線治療や化学療法が必要となります。
このため、脳腫瘍の手術では、必要な部位を最大限摘出し、かつ後遺症を極力抑えるべく特殊な手術支援機器が必要になります。ニューロナビゲーションシステムや決まった波長のレーザー光を照射することで腫瘍を光らすことができる特殊な手術顕微鏡、腫瘍摘出の際に腫瘍を破壊・吸引する超音波吸引装置、術中エコー装置、術中の神経損傷を予想する電気生理学的モニターなどがそれに相当します(後にお話しいたします)。

腫瘍摘出量 神経機能の温存 手術ではこのバランスが重要