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2016年09月21日

2016年7月 みんなの健康講座 「貧血について」 抄録

 横浜新緑総合病院  内科部長  森 啓(ひらく)

貧血は日常よく使用される言葉で「脳貧血」とは違います。一般に顔が青白いなどで表現されます。 貧血はヘモグロビンの値で決められますが、年齢においてその正常値は違います。そのヘモグロビンを作るのに必要な成分は鉄と、ビタミン12と葉酸でその造血機序について、また一番頻度の多い「鉄欠乏性貧血」について、症状、原因、治療についてお話したいと思います。

≪貧血とは≫

  •  血液単位容積あたりの赤血球またはヘモグロビンが減少した状態と定義されます。

≪貧血の検査項目≫

  •  赤血球数(数)とヘモグロビン量(重さ)、ヘマトクリット(体積)があります。
  •  ヘモグロビンが 成人男性 13g/dl 未満、成人女性 12g/dl 未満(※)
  • (※)70歳以上では骨髄の脂肪が増え、11g/dl未満 が 貧血です。

≪貧血の症状≫

  • 倦怠感、疲労感、動悸、息切れ、めまい、食欲不振などがあります。
  • 症状の程度は、貧血の重症度、発症様式、進行速度、基礎疾患、心肺機能の予備能で違います。

≪ヘモグロビンは≫

  • ヘムとグロブリンから構成されたもので鉄も含まれます。
  • 赤血球は骨髄の赤芽球コロニーから赤芽球となり、ビタミンB12と葉酸が関与し段々と成熟し赤血球となってきます。

≪貧血の起こる機序≫

  • 頻度の多いものは出血性貧血と鉄欠乏性貧血です。
  • 女性に多い鉄欠乏性貧血の原因は過多月経によるものです。

≪鉄分≫

  • 食物に15~20mg含まれ、十二指腸で1日0.5~1.5mgが吸収されます。
  • 骨髄で20~25mgが利用されます。
  • 生理で0.5~1.0mg失われます。過多月経ではこのバランスが崩れ、鉄欠乏性貧血となります。
  • 高齢者の鉄欠乏性貧血では胃と大腸の内視鏡検査が必要です。
  • 鉄剤の投与により貧血は速やかに改善しますが、経口鉄剤で悪心など副作用がみられます。このような時は、 シロップ剤の投与や静脈注射を行います。
  • 鉄剤投与終了の基準は、組織鉄の指標となるフェリチンの値です。

≪早めの受診を≫

貧血が発症しても段々と慣れ、高度の貧血になってから受診される方もいます。症状が出現したら、早めの 受診をお勧めします。