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コラム

閉塞性黄疸について

コラム
  • 消化器内科 副部長 権 勉成

    【胆汁の働き、胆道】

    肝細胞で産生された胆汁は胆道(肝内胆管、胆嚢※1、肝外胆管、十二指腸乳頭)を通過し、十二指腸へと排出されます。胆汁は食事中に含まれる脂肪やビタミンの吸収を助ける重要な役割を果たします。また小腸で再吸収され門脈※2を通って肝臓に戻ることで無駄なく再利用されます。(腸肝循環)

    ※1 胆嚢:胆汁を貯留、濃縮し良質な胆汁とする働きがあります
    ※2 門脈:消化管を流れた血液が集まって肝臓に注ぐ部分の血管です

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【閉塞性黄疸とは】

胆道に胆石や悪性腫瘍(胆管癌、胆嚢癌、膵癌、乳頭部癌、リンパ節転移など)、良性狭窄(慢性膵炎、自己免疫性膵炎など)が存在すると胆汁の流れが悪くなり、肝機能異常、閉塞性黄疸を引き起こします。
黄疸が長引くと肝細胞への悪影響のみならず、出血傾向、腎障害、免疫能の低下、栄養不良など全身状態は悪化します。加えて胆管結石では十二指腸からの逆行性細菌感染が起こりやすくなり、急性胆管炎を併発すると容易に敗血症※3、多臓器不全に陥るため速やかな治療が必要となります。

※3 敗血症:何らかの細菌に感染することによって全身の臓器障害を起こす病態です

【胆道ドレナージとは】

閉塞性黄疸の治療は胆道ドレナージと呼ばれます。
アプローチルートによって、以下に大別されます。

  • ①内視鏡を用いる方法:内視鏡的胆道ドレナージ(EBD)
  • ②超音波(エコー)を用いて皮膚から肝臓を貫き胆管を穿刺する方法:経皮経肝的胆道ドレナージ(PTBD)
  • ③全身麻酔下で開腹する方法:外科的胆道ドレナージ(胆管空腸吻合術やT-tube、C-tubeなど)

このうちERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)の手技を用いて、胆道の出口である十二指腸乳頭からステント(内瘻)や長いチューブ(外瘻・図1)を入れるEBDが最も低侵襲で第一選択となる治療法となります。

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EBDにはERCP以外に超音波内視鏡(EUS)を用いて胃や十二指腸から胆管を穿刺する方法(超音波内視鏡下胆道ドレナージ:EUS-BD)があり、様々な理由でERCPやPTBDが施行困難な患者さまにおいて選択されます。

消化器内科では閉塞性黄疸患者さまの状態(原因疾患、閉塞部位、解剖学的理由)に応じて、胆道ドレナージの 経験豊富な医師がERCP、EUS、PTBDを使い分け、最良の治療を提供します。
お困りのことがございましたら、ぜひご相談ください。

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