では手術支援機器の具体的な役割を簡単にお見せしましょう。
まずは、当院の脳腫瘍手術では全例用いている「ニューロナビゲーションシステム」です。長いネーミングですが、脳外科医の間ではNAVI.(ナビ)と呼んでいる機械です。ナビといえば、最初に思い出すのが「カーナビ」だと思います。まさに、そのカーナビと同じ様な機能を持っています。実際に手術で今触っている部分をリアルタイムにインストールしておいた患者様のMRI画像とリンクして表示することができます。それにより、腫瘍辺縁までどれくらいの距離があるのか、もうすぐ正常脳との境界に差し掛かる大切な場面なのか、などを手術中にわかるのでより安全に摘出手術を行うことができます。
実際のNAVI.画面
4分割の右下が実際の顕微鏡で見ている術野。その他の3つの画像が術前にインストールしたMRI画像。術野と共に、3つのMRI画像が動きます。
緑色の十字線の中心が実際に触れている部位を指しています。この画像では、腫瘍の後端ギリギリの部位であることが分かります。