脳腫瘍の手術
前述しましたが、脳腫瘍治療の大黒柱となる手術のお話をいたしましょう。腫瘍細胞を最大に減少させる効果があるのは手術による摘出です。もちろん、腫瘍の種類によっては化学療法が著効するタイプもありますので、その際には無理な摘出は必要ありません。
手術の基本は脳腫瘍細胞のみを摘出し、正常細胞は摘出しないことです。と、理想はそうなのですが、現実は困難を伴うことも多くあります。
良性腫瘍の場合には、正常脳との境界が明瞭で、腫瘍のみを摘出することは比較的容易に可能ですが、悪性であればある程、正常脳との境界が不鮮明となり、正常細胞に浸潤しているため通常の手術用顕微鏡ではなかなか腫瘍細胞のみを摘出することは困難となります。つまり肉眼ではどこまでが腫瘍でどこからが正常細胞なのかが判別が困難なのです。
RI画像ですと→(黄色矢)のように、あたかも境界明瞭に見えますが、実際の手術では画像のように白黒でコントラストが付いて見えるわけではないのです。
そこで、脳腫瘍手術には特殊な手術支援機器が必要となります。