整形外科は、頚部から体幹・四肢の骨・筋肉・関節などの運動器の障害・傷害を対象としています。
当院整形外科の常勤医は、整形外科専門医として経験を積んだ医師が外来・入院診療にあたっており、各医師がそれぞれ専門としている人工関節の手術・脊椎の手術などを担当しています。
変形性膝関節症、半月板損傷、大腿骨骨壊死、膝関節炎などによる膝の痛みの治療を実施しています。
まず鎮痛剤や関節内注射で痛みをコントロールしたうえで、減量指導、リハビリテーションなどで状態の改善を測ります、人工関節や関節鏡などの手術療法は最終手段と考えており、安易に手術を勧めることはありません。
変形性股関節症、股関節炎、大腿骨頭壊死などによる股関節痛の治療を行っています。こちらも基本は手術以外の保存治療ですが、変形が強く、足の長さに差がある場合、腰痛や腰椎の変形も進んでくる場合は人工股関節置換術をお勧めすることもあります。
近年、人工関節の改良が進み、人工関節の寿命は長くなっています。人工股関節は10㎝以下の小さい手術創で最小限の侵襲で手術を行うMISと呼ばれる方法を採用、筋肉や関節包を切除せず、極力温存して早期から歩行訓練ができるよう配慮しています。術中出血が少なく輸血になることはほとんどありませんので自己血貯血は実施していません。
適切な鎮痛剤を用いながら、リハビリテーションを中心とした治療を実施しています。当院はAKA博田法による治療を実施しており、多くの理学療法士が腰痛治療に精通しています。
腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアなどによる下肢痛に対しては適切な保存治療を実施、それでもなお、強い痛みのために日常生活に支障がある場合は手術療法による神経痛の治療を実施しています。
外来通院での保存治療がメインです。腱板断裂については関節鏡による治療をご希望の場合、専門医療機関に紹介しています。
転位(ずれ)が少ない場合はギプス固定などで外来通院治療を行います。転位が大きい場合など、必要があれば手術による整復固定を実施します。的確な治療で後遺症を減らすことを重視しており、術後の癒合不全などによる再手術率は低く、良好な結果を出せています。
受傷後、できるだけ早期に適切な治療を実施しております。麻酔科や手術室の協力もあり、ほとんどの患者様が入院後数日で手術可能です。できるだけ体の負担が少ない手術を実施し、早期に関節を動かして歩行訓練を実施しています。入院期間やリハビリテーションの進め方は患者様やご家族の希望を考慮しています。
専門病院にありがちな、全員が「術後○日目で退院」という型にはまったメニューではなく、早く退院したい患者様はそれができるように、元々歩行に支障があり、筋力が落ちている患者様でしっかり安心してリハビリをしたい患者様にはややゆっくりしたメニューで治療方針を組んでいます。
減量、生活習慣の改善やご自身で行うリハビリの指導などを行い、それでも症状が改善せず日常生活に支障がある場合には手術的治療を考慮します。また、骨折などの外傷においては、なるべく早く適切な治療を行い、機能障害が残らないように治療しています。
手術にあたっては安全、確実を第一とし、合併症のないよう最大限配慮、痛みのコントロールも積極的に行います。病院側の都合を押し付けるのではなく、患者様のご希望を伺い、患者様ご自身が納得して治療を受けられるよう、対応いたします。
術後に患者様に様々な制限をかける病院も多いのですが、正確な手術により、なるべく患者様に制限をかけず、普通の日常生活を快適に送ってもらえるように治療しています。
早期退院ご希望の方には、術後一週間以内の退院も可能です。また、高齢でしっかりリハビリをしたい患者様にはそのご要望に応じることが可能です。病院の都合を一方的に押し付けるのではなく、患者様のご希望を伺って一人一人に適した治療を提供させていただきます。
変形性膝関節症・変形性股関節症で人工関節が必要な患者様、及び手術が必要な外傷の患者様は是非ご紹介ください。
現在のところ、切断指などの血管縫合を必要とする患者様、皮弁が必要な重度組織損傷のある患者様、及び専門的治療が必要な手の外科の患者様には対応しておりません。
医師名 | |
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整形外科部長 上野 岳暁 (うえの たけあき) |
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医長 川村 耕平 |
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医長 安原 和之 |
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